Nasseel IS
質問 回答
Nasseel ISとは Nasseel…中野 Special steel の略で造語です
IS…Insulation Skins  絶縁表皮という意味です
処理母材は よくステンレス等素材に処理できないかという質問がありますが、
KCFという特殊材料でしか処理できません。また、母材そのままでは
絶縁性はないため、形状加工後に絶縁処理が必要です。
KCFとは 耐食性に優れたフェライト系のステンレスで、磁石に付きます
KCFの加工性は SUS304と比較して、素材が粘りが強く、あまりよくありません
母材の標準サイズ 丸材…規格φ10〜φ60×1000、
     弊社在庫はφ10〜φ30がメイン、その他一部あり
板材…規格がありません
母材のみの販売は 可能ですが、被膜処理を行わないと絶縁効果はありません。
絶縁処理のみの依頼は やらない事はないですが、寸法変化の問題等もあるので
全加工をお勧めします。⇒現在絶縁処理のみのご依頼は受けておりません
製造範囲は 最大…φ60×150以下  
角形状…丸材から取れる範囲で可   
製造方法は 母材を加工した後に絶縁皮膜処理を行います。
絶縁処理とは 表面改質によりセラミックス系の皮膜を表面に形成させています。
全面に処理できるのか 一般のコーティングとは異なり、穴の内部まで処理可能です。
ただし、ピン角部については被膜が付きにくい傾向にあります。
R付けする等、形状を工夫する事である程度改善出来ます。
一部だけに処理できるのか 処理後、追加工して被膜を削ることは出来ます。
ただし、加工時のチャッキングで皮膜を傷つけてしまう可能性があります。
皮膜強度は 一般のコーティングと異なり、表面改質により膜を形成しているため、
磨耗はしますが、剥離する可能性は低いです。
被膜硬度は セラミックス系の膜のため、HV1000(HRC70以上)あります。
被膜の厚みは 10μm程度です。
寸法精度は 絶縁処理を1,000℃以上で行うため、熱膨張により寸法が変化するため、
h7レベルでの製作は困難です。大きさにもよりますが、h8〜h9程度となります。また形状によっては反りが発生する可能性もあります。
寿命は 内部は通電する金属ですでの、被膜が磨耗してしまえば絶縁性は
失われます。
耐熱性 融点1,475度。少なくとも1,200度(SUS304では表面が溶ける温度)までの
耐熱性はありますが、高温になるに従って抵抗値は落ちます。
機械強度 表面は硬いですが、内部は生材レベルです。
熱伝導度 表面はセラミックス系の膜に覆われていますが、膜が薄いために
ステンレスと同等レベルです。
セラミックスと比較して 切削加工が可能なため、複雑形状の物ほどセラミックスに比べて
低コストで製作可能です。また、折れる可能性が少ないため、
寿命管理もしやすいです。
樹脂と比較して 高強度で耐熱性に優れています。
他のコーティングと比較して 表面改質により膜を生成させているので、剥離の可能性は低いです。